近親相姦や首狩りマシーンによる処刑などなど、残虐極まりない行いの数々によって悪名をはせたローマ帝国第3代皇帝カリギュラの壮絶な半生を描いた歴史超大作『カリギュラ』。時のペントハウス社総帥ボブ・グッチョーネが製作し、そのすさまじいまでの性と虐待のオンパレードで、全世界を驚嘆させた問題作である。主演のマルコム・マクダウェルの、どこか哀しみを帯びつつも徹底した残虐さを露にした怪演に圧倒される。 また、そのブームのあおりを受けてイタリアで製作された日本未公開の類似作品であり、カリギュラ(ウラジミール・ブラジョビック)と妖艶な美女メッサリナ(ベティ・ローランド)の情愛を描いた『新・カリギュラ』。この2作のDVDがパッケージになっておさめられている。(的田也寸志)
ローマの腐臭
マルコム・マクダウェルや ピータートゥールといった 有名俳優を配した 一大時代劇がポルノ映画であるという点が まず痛快である。ピータートゥールは 自分の出る映画がポルノであると聞いて憤然としたらしいが 残念ながら遅すぎた。結局ティベリウスというローマの皇帝を粛々とやらされている。しかも周りは 全裸の男女だらけで。
一歩引いて考えると ローマ帝国の社会は ポルノ映画足りえる素材であったということなのかと思う。この映画を見て性的刺激を感じるのは 難しい。見ていて むしろ気持ちが悪くなってくる方が一般的なのではないか。その意味では マルコム・マクダウェルという怪優を持って来たキャスティングは大したものだし 演じたマルコム・マクダウェルも立派である。
実際 ローマの一時代は かようなめちゃくちゃな時代だったのかもしれない。そう思うとこの世紀の怪作にも ある種のリアリティーも感じなくも無い。
大スクリーンで見るべき
『新・カリギュラ』の方はメッサリーナ中心のストーリーで、邦題の付け方に問題があるものの、『カリギュラ』、『新・カリギュラ』ともに、Hシーンの多いスペクタクル作品として十分楽しめる。もちろん、『カリギュラ』の方がたくさんの資金をつぎ込んだ分、ゴージャスな仕上がりである。残虐で不道徳なことばかりしているように描かれたしまったカリギュラやメッサリーナであるが、ある一面から見ればこれも真実なのだと思う。多少の誇張があるにせよ、時代考証はしっかりなされているようである。 エロチックなシーンを売りにした作品は、ほとんどが低予算で作られているが、それはやむなくそうしているのであり、予算に制限を付けなければ、もっと多くの質の高い、エロチックシーンを売りにした作品が出てくると思う。日本人の感性にマッチした一大エロス作品も誰か作ってくれないかと思う次第である。
画面いっぱいが裸だらけになるような、映画館の大スクリーンで見ることを前提にしたシーンが多々あるが、自宅のテレビ画面で見ていてはその迫力を味わえないだろう。この作品の最大の難点はそこにある。また、『カリギュラ・メイキング映像』は興味深い内容だっただけに、画質の悪いのが残念である。
エロエロ度数100%
〜この映画にストーリー性を求めてはいけないと思う。 ポルノのシーンなんかは強烈だ。 (これらのシーンを見たければアメリカ盤Unrated Versionかフランス盤を買うことをお勧めする。) 〜〜 しかし、ほめるべきところもある。性の先進国イタリアだから作れた映画だろう。セックス、レズビアン、ホモセクシュアルのシーンが入っている。性に関しては差別しないと言いたいのだろう。 セットを観る価値もある。80年代前後に作られた映画ではかなり手の込んだセットである。
〜〜 ワンマンプロデューサーのおかげで監督ティント・ブラスは途中降板したという話だし、俳優陣もこの映画がポルノだということを撮影直前に知って激怒したとか。〜
これも一種の世界、不思議発見か?
製作者はかなり気合いが入っているようですね。冒頭、全裸の奴隷が道路工事やら掃除してるところが、きっと歴史的な考証をとてもしっかりやってるんでしょうけど、異様な景色でつい笑ってしまいます。 現代日本人の私から見ると珍妙すぎる情景が次々と展開されます。きっとイタリア人の製作者さんは渾身の力を込めて映像化したんでしょう。でも、それって私たちが塩野七生やローマ神話からイメージするローマとは違いすぎる。このギャップが、私には楽しかった。ラストミステリーとして最後まで残るのは「何がこんなに彼らを頑張らせたのかな?」って感触…。 ところでこのレビューは日本版ではなく米国のR指定版とノンレイテッド版を見て書いています。日本版との異同がはっきりしないのですが、ノンイテッド(ノーカット版)は本筋とは無関係にレズシーン等が挿入され、ポルノ的な見せ場はあるけれど作品的にはどうよ?な感じです。冗長なポルノシーンが短くなれば、★もう2つくらい追加して良いかな? マクドウェルとオトゥールは頑張ってるし。
所詮は金かな
はっきりいって、名作だとは全く思わないが、 最近の無駄に金のかかっているハリウッド映画と比較すれば、 よくできた作品だろう。少なくとも、遜色はないと思う。 もっとも、この作品もかなり金がかかってそうだが。 つまるところ、金さえかけりゃ、それなりの映画ができてしまうということか。 星5つは少々甘いようだが、近頃のハリウッド映画に名作があるなら、 この映画だって、5つ星の価値は十分あるんじゃないかな。
アミューズ・ビデオ
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